新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請時に、ベランダでのトロ舟メダカビオトープを始めてから、もうすぐ2年が経過します。
最初は分からないことだらけで悪戦苦闘しましたが、日々のビオトープの管理を中心に、夏場の雨や暑さ対策、冬場の越冬などを経験し、いろいろ勉強することができました。
ビオトープに入れるメダカの選び方やその理由
品種選びよりも重要なのは健康で丈夫なメダカを選ぶこと
トロ舟を購入し、底床材を敷き、石や流木を配置して水草を植えます。
その後、ろ過バクテリアが繁殖し水質が安定したら、メダカやミナミヌマエビ、ヒメタニシなどの生体を入れます。これがトロ舟メダカビオトープ製作の基本的な流れです。
ビオトープの形は、身近な自然を再現したものや、盆栽や苔をレイアウトしたもの、レンガを入れたものなど、さまざまです。
自由な発想で作っていくのがビオトープの楽しいところですね。
➡(当ブログの記事)【トロ舟メダカビオトープ】苔ともみじが主役の和風レイアウトをつくってみた
➡(当ブログの記事)【トロ舟メダカビオトープ】緑の絨毯作りにおすすめの水草、注意点など
ビオトープに入れるメダカの選び方は、特に注意が必要です。
メダカの品種については、在来種の二ホンメダカ(キタノメダカ、ミナミメダカ)以外にも、ヒメダカやシロメダカ、アオメダカなど数多くの品種改良されたメダカが流通しています(2019年4月時点で改良メダカは552品種に上ります)。
自然派のビオトープにはもちろん二ホンメダカがおすすめ。
和風ビオトープには楊貴妃や紅白、三色などが適しており、洋風ビオトープにはラメがたくさん入った品種などが面白いでしょう。
ですが、品種選びよりもはるかに重要だと思うのは“体が強くて健康な個体を選ぶこと”です。
体が強くて健康なメダカを選ぶ理由
ビオトープでメダカを飼育すること自体はそれほど難しくはないのですが、体が弱くて不健康なメダカはどうしても細菌や寄生虫などにやられやすくなります。
今年の春~夏頃、我が家のビオトープでも元々体が弱く抵抗力も低いメダカが病気になり、そこから健康だったメダカたちにも広まって本当に大変でした…。
➡(当ブログの記事)【メダカビオトープ】水草の入れ過ぎに注意!多すぎるとメダカが病気になることも…
➡(当ブログの記事)【パラクリア】メダカの寄生虫(ダクチロ・ギロダク)対策餌の感想
底床材を敷かないベアタンクの場合、全換水や薬浴、塩浴なども、多少面倒ではあるものの可能です。
しかし、ビオトープでは底床材が敷いてあり、メダカ以外の生物もいるため、簡単にリセットや薬剤での治療はできません。
そのため、病気になりにくい丈夫で健康なメダカを選ぶことが非常に重要です。
また、もし感染症にかかってしまった場合は、速やかに隔離・治療を行うことが必要不可欠です。
餌を食べるのが上手でガッチリ適度に太ったメダカは強い
では、どのようなメダカが体が強くて健康なのか?
私は餌を食べるのが上手で体つきもガッチリしていて適度に太っている個体を選ぶようにしています。
痩せ気味の子と適度に太っている子を比べると、やはり痩せ気味の方が病気になりやすく、治療をしても予後が悪いという傾向があります。
餌の食べ過ぎで太り過ぎている子は、糖尿病になる可能性もあるので注意が必要です。
しかし、痩せ気味で虚弱体質であるよりは、適度に太っている方が間違いなく良いでしょう。
強いメダカはビオトープ、弱いメダカはベアタンクがおすすめ
同じ時期に生まれた稚魚でも、元々の体質や餌食いによって成長に大きな差が出ることがあります。
そのため、体が大きくて丈夫そうな子はビオトープで、体が小さくて病弱そうな子はベアタンクで飼育するようにしています。
ビオトープは適切に手入れすれば、透き通ったきれいなクリアウォーターを維持でき、メダカたちの美しさをより一層際立てることができます。
しかし、見た目がきれいな水が必ずしもメダカにとって最適な水であるとは限りません。
メダカの餌となる植物プランクトンがたくさん含まれるグリーンウォーターや、稲藁を入れて微生物を増やした水などは、見た目はあまり良くないかもしれませんが、メダカたちにとっては簡単に栄養補給できるので暮らしやすい環境だったりします。
➡(当ブログの記事)メダカの越冬対策のために稲藁(無農薬有機栽培)を通販で購入
グリーンウォーターで飼育すれば、上画像のような視力が弱く餌を食べるのが下手な点目(スモールアイ)のメダカでも、濾過摂食のような形で水中の植物プランクトンを食べられるので、餓死する危険性がぐっと減ります。
体が弱いメダカでもきちんと環境を整えてあげれば天寿を全うすることができるので、そういうメダカたちのためにビオトープ以外にもいくつか飼育箱を用意してあげるといいでしょう。
まとめ
以上、今回はビオトープに入れるメダカは何よりも体が強くて健康な個体を選ぶことが大切だというお話でした。
実は先日、ビオトープを始めた友人がネットオークションで改良メダカを購入したのですが、そのメダカは表現はきれいだけど体型は痩せ気味で、いかにも病弱そうな感じでした。
おそらく長くは生きられないでしょう…。
在来の二ホンメダカに比べると、改良メダカは体が弱いイメージがあります。
しかし、インブリード(近親交配)を繰り返した改良メダカでも、経験豊富なプロの目で丈夫な個体だけを選別していけば問題はないと聞きます。
プロの方の選別方法を見るとここまでやるのか…と脱帽しました。
➡メダカの選別方法|FUJIYAMAめだかのブログ
しかし、昨今のメダカブームの影響もあってか、知識の乏しい素人同然の業者もビジネス目的で多数参入しています。
友人はそのような業者から購入してしまったようです…。
個人的な経験から、ビオトープでのメダカ飼育はベアタンクでの飼育に比べて若干難易度が高く、トラブルも発生しやすいと感じています。
そのため、改良メダカを購入する際は、せっかく買ったメダカがすぐに死んでしまわないように、真摯にメダカと向き合っている信頼性の高い業者を選ぶことが大切だと思います。
それに加えて、選別漏れのメダカたちも大切に扱っているような業者なら言うことなしです。
参考にさせていただいた記事・サイト