今回は先日制作した睡蓮鉢メダカビオトープに使った素材【溶岩石】について書いてみたいと思います。
溶岩が冷えて固まった石。日本では阿蘇山や浅間山、富士山などの火山周辺で採掘できる。
ゴツゴツとした味のある質感と細孔が多く空いた多孔質な構造が大きな特徴。
溶岩石をビオトープに導入するメリット・デメリット
溶岩石の購入先は【FK planning】
今回、溶岩石を購入したのは楽天市場やAmazonなどに出店している【FK planning】というお店。こちらは【富士宮めだか】という名前でメダカの販売もされているみたいです。
溶岩石は1キロ、3キロ、5キロといった感じで小分け販売されているのですが、これまで溶岩石を触ったことがなく量感がいまいち掴めなかったため、とりあえず5キロを2箱合計10キロ分購入してみました。
1箱(5キロ)の量感はこんな感じ。
大きめの石(親石付きを購入した場合)が1個と5~10センチの石が15個くらい入っていました。
冒頭の睡蓮鉢ビオトープには10キロまるまる使用しています。
拡大して見てみると表面に穴がたくさん開いているのが分かりますね。
色味は想像していたより白っぽいというか灰色っぽいというか。調べてみると溶岩石は黒が基本だけど茶色っぽいのや赤っぽいのもあるらしいです。ちなみに水に浸かるともう少し黒くなります。
溶岩石のメリットとデメリット
メリット1.高い水質浄化効果
溶岩石は見た目が無骨でかっこよくビオトープの景観造りにもってこいの素材ですが、実は機能性も非常に優秀です。
ビオトープに溶岩石を入れる一番のメリットは高い「水質浄化効果」。
前述のとおり溶岩石は多孔質な構造をしているので「ろ過バクテリア」が定着しやすく、一般的な石材よりも高い水質浄化効果が期待できます。
屋外ビオトープはろ過装置を設置しないケースが多く、水換えの頻度も屋内での水槽飼育に比べるとどうしても少なくなりがち。そのため、水をきれいに保ってくれるろ過バクテリアの働きは必要不可欠です。
有機物分解菌や硝化菌などの小さな生物。
メダカやエビといった生体が食べ残した餌や排泄物、死骸などをアンモニア(有機物分解菌の働き)→亜硝酸(ニトロソモナス属などの働き)→硝酸塩(ニトロバクタ―属などの働き)へと分解し、ビオトープ内の水をきれいに保ってくれる。
※《水生生物に対する有害度》→アンモニア(毒性強い)>>>>>亜硝酸(毒性やや強い)>>硝酸塩(毒性低い)
メリット2.水を透明にする効果
そして、ろ過バクテリアが定着・増殖すると、濁ったりグリーンウォーター化した「水を透明にする効果」も期待できます。
高い水質浄化効果や水を透明にする効果は、溶岩石と同じく多孔質でろ過バクテリアが定着しやすい素材である「赤玉土」によく似ていますね。
→(当ブログの記事)【メダカビオトープ底床】硬質(焼成)赤玉土の色や大きさ、硬さを比較
特に赤玉土の水を透明にする効果は本当に凄いと思います。↓
赤玉土は入手しやすく安価なのでビオトープの底床として使いやすい素材ですが、見た目があまり好きでない、定期的な交換が面倒(経時で粒が潰れ泥状になってしまう)、pHが酸性域に傾くなどの理由で使いたくないという人も少なくありません。
赤玉土を使いたくないけどビオトープ内の水を透明に保ちたいという人は溶岩石の導入を検討してもいいかもしれませんね。
溶岩石はグリーンウォーターをクリアウォーターにできる?
私が現在試しているのは底床に「珪砂」を採用したビオトープの水をクリアウォーターにすること。
赤玉土も多少は入れているものの、全体の8割くらいが珪砂なので「グリーンウォーター化」してしまいました。
➡(当ブログの記事)メダカビオトープの底床(底砂)におすすめ!水作の「珪砂」を試してみた
グリーンウォーターはメダカにとっては栄養豊富で良い環境ではあるのですが、長雨が続くと植物プランクトンが死んでしまい水質悪化の原因になるし、何よりも鑑賞性が良くありません…。
なので、水の透明化を目的に溶岩石を入れてみました。
過昇温対策と水質浄化目的で導入しているエアレーション(エアストーン)の上に積み重ねるように溶岩石を配置。
→(当ブログの記事)メダカビオトープにソーラーエアレーションを導入!暑さ・濁り対策に効果的?
溶岩石は水に変化がないところにポツンと置いておくのではなく、エアレーションの泡の近くなど酸素が豊富にある場所や水に動きがある場所に置くのが最大限に効果を発揮させるポイントです(ろ過バクテリアは酸素をエネルギーにして活動する)。
このまま数日待ってみると…
溶岩石導入前と比べると、かなりグリーンウォーターが薄くなり全く見えなかった底も見えるようになりました。
ビオトープ内のろ過バクテリアがちょうど定着・増殖したタイミングだったとか日当たりや水温の変化など、溶岩石以外の要因で透明化した可能性も考えられます。
ただ、冒頭で紹介した睡蓮鉢ビオトープ等その他のビオトープでも溶岩石を導入した所はクリアウォーターを維持できているので水を透明にする効果はなかなかのものだと思います。
少しずつグリーンウォーターが薄くなっているビオトープに関しても今後変化があれば追記予定です。
追記→さらに数日後…
透明度がアップしほぼクリアウォーターといってもいいレベルになりました。
大きなメリットは以上の2点ですが、それ以外にも半永久的に利用できる耐久性の高さや水草の活着に適している点などがメリットとして挙げられます。
デメリットは石の形状によるケガの可能性と水質の変化
長々と溶岩石のメリットを書きましたが、デメリットについても少し。
溶岩石のデメリットとしてよく挙げられるのは「石の形状」です。
ゴツゴツしていて部分的に尖っているので生体がその部分に触れてケガをする可能性があるとのこと。
我が家では今のところ溶岩石でケガをしたメダカはいないので特に危険だとは思いませんが、これからだんだんと水温が下がりメダカの警戒心が強まれば、何かの拍子で溶岩石の隙間に隠れようとしてケガをするかもしれません。そこは今後注視したいと思います。
あとは「水質を変化させる可能性」について。
商品ページには「pHや硬度への影響が比較的穏やかなため安心してレイアウトに使用できます」と記載されています。
ただ、穏やかなだけで0というわけではなく、溶岩石が水質にどのような影響を与えるかを検証したサイト・記事を見るとpHは若干アルカリ性寄りに変化し、硬度も若干上昇したとありました。
まあ、他の石に比べると影響は軽微なので特に気にする必要はないのかなと。
考えられるデメリットはこれくらい。個人的にはデメリットよりもメリットの方がはるかに大きいと思います。
まとめ
以上が溶岩石の特徴や効果、ビオトープに導入するメリット・デメリットです。
溶岩石は見た目がかっこよくてビオトープの景観造りに適しているだけでなく、水質浄化や水を透明にする効果もある非常に機能的な素材だと思います。
尖った形状をしているので生体がケガをする可能性は0ではありませんが、個人的には導入するメリットの方が大きいのではないかと。
値段的にも昨今の送料高騰を考えるとそこまで高くはないので、ビオトープに何か石を入れたいなと思っている人は検討してみてください!
YouTube動画【【メダカビオトープ】溶岩石はグリーンウォーターを透明にできる?】
#メダカ #ビオトープ #溶岩石
参考にさせていただいた記事・サイト