ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で原油や穀物などの値段が上がり、それに付随する形で身の回りのあらゆる物やサービスの値段が上がっています。
給料はそれほど変わらないのに物価だけがどんどん上がる恐ろしい世の中になってしまいました。
今まで1000円で買えていたものがたった数か月で1100円払わないと買えなくなるなんて、、インフレ怖い…。
雪国まいたけとホクト、大平きのこ研究所の舞茸を食べた感想
株式投資と株主優待
今のままではヤバイと思い最近勉強し始めたのが【株式投資】です。
銀行にお金を預けても金利は雀の涙。絶対にインフレに対抗できません。でも、今後成長していくと思う企業に投資すれば株価も上がるだろうし配当金もたくさんもらえるはず。
それと面白いなと思ったのが【株主優待】というもの。
株主優待とは、企業が自社の株を購入してくれた株主に向けて、自社商品やサービスなどの「優待品」を贈る制度です。株主優待は任意の制度であるため、すべての企業が実施しているわけではありませんが、上場企業のうち約1,487社が優待制度を導入しています。(2022年5月時点)
最近では、定番のお米や金券、優待券からカタログギフトのように選べる優待などバリエーション豊かになってきています。また企業にとっては、株式をすぐに売却してしまう株主より長く保有してくれる株主のほうが有難い存在であることから、長期保有制度を取り入れる企業も増えてきています。通常の株主優待に加えて、優待品(サービス)がプラスされるため、長く持っているだけでお得になることがあるのです。
配当金とは別に自社商品やサービスなどの優待品をもらえるなんて、、最高じゃないか!
ということで、早速銀行に預けていたお小遣い貯金をおろして株を購入してみることにしました。
今のところトータルでは少しプラス。
ヨネックスやヤマダH、松風などが頑張ってくれていますが、楽天Gや東京鐵鋼には大きなダメージを与えられています。楽天許すまじ(笑)
株主優待できのこ関連の自社商品が貰える雪国まいたけとホクト
で、ずっと気になっていたのが【雪国まいたけ】と【ホクト】という二つのきのこ関連会社。この二社で業界のシェアの多くを占めているきのこ生産の大手企業です。
両者とも配当利回り(年間配当金の割合)が3%を超えている上に株主優待としてキノコ関連の自社商品も提供しています。※2022年6月現在
キノコは健康にとても良く値段も安くて美味しいので今後も需要が減ることはないだろうし、個人的にもきのこが好きなので凄く魅力的だと思いました。
株価は雪国まいたけが1株800円ちょっとでホクトは1900円ちょっとでした(2022年5月終わり頃)。
株価のチャートを見るとホクトは何年も2000円あたりをウロウロしているけれど雪国まいたけは2020年の2000円超からひたすら下がっての800円。
安定を求めるならホクトだけど、株価予想のサイトなどを見ると雪国まいたけはもう少し高く評価されてもいい感じだったので株価がどこかのタイミングでグイッと上がる可能性も。
結局どっちの株を買うか悩んだ結果、きのこの味が美味しい方を買うことにしました。
雪国まいたけとホクトの舞茸を食べ比べ
食べ比べるきのこは【舞茸】。
主に東北地方の深山の老木の根ぎわに生えるサルノコシカケ科の大型きのこ。100枚以上の扇形の傘が重なり合い、20キロや30キロの大きさに育つものもある。
味や香り、食感が良く、炒め物・鍋料理・天ぷら・煮物など、様々な料理に利用される。
栄養学的にもビタミン・ミネラル・食物繊維に富み、ビタミンDやβ-グルカンなど、癌や糖尿病対策等の健康増進に期待できる成分が豊富に含まれている。
名前の由来は「”幻のきのこ”と呼ばれるほど希少価値の高かった舞茸を見つけた人が舞い上がって喜んだから」や「舞茸の形が蝶が舞う姿に似ているから」など、諸説ある。
今まできのこの生産メーカーを意識したことはなかったのですが、近くのスーパーで売られていた舞茸はほとんどホクトのものでした。ホクト強いなあ。
雪国まいたけは会社名に”まいたけ”って名前が入ってるんだからもっと頑張らないといけませんね。
ちなみに雪国まいたけの【極(きわみ)】はイオン系のスーパーで販売してました。
舞茸の天ぷらで食べ比べ
見た目は左の雪国まいたけの方が傘が大きくて右のホクトのは密な感じ。
この二つの舞茸を天ぷらにして食べ比べしてみることにしました。
天ぷらの衣は小麦粉をベースに片栗粉を少々。水は冷やした炭酸水を使用しあまりかき混ぜないようにするとパリッとサクッと良い感じに揚がります。
衣を適度につけて180度くらいの油の中に投入。
泡と音が変わってきたら揚げ上がりのサイン。
雪国まいたけの天ぷらが揚がりました。これは美味しそう!
その後はひたすら揚げの作業。
雪国まいたけ(左)が終わったらホクト(右)のも揚げていって数十分後に全ての舞茸が揚げ終わりました。
見た目も味も食感も雪国まいたけの極に軍配
揚げ立ての最高の状態で味見をしていたのでここでもう結論を出します。
舞茸に関しては雪国まいたけの極が圧倒的に美味しい!

雪国まいたけの舞茸天ぷら
ホクトファンの方には失礼かもしれませんが、個人的には見た目、味、食感、全てにおいて雪国まいたけの圧勝ですね。同じ舞茸とは思えないくらい。
今回は3人で食べ比べてみたのですが、全員が雪国まいたけ推し。
雪国まいたけ極は傘が大きくて見た目が立派だし、味も水っぽくなく濃い。そして食感もシャキシャキというかコリコリというか、とにかくしっかりしています。
天つゆ、塩、マキシマムの3種類をつけて食べたところ、特に塩とマキシマムでは雪国まいたけ極の美味しさが光りました。
ホクトの舞茸は産地の違う商品もあり、もしかしたら産地によって味などが違うのかもと思ったので、翌日別タイプを購入しました。ついでに雪国まいたけ極も追い買い。
ホクトの別タイプも同じように天ぷらにして食べてみましたが、やっぱり感想は同じですね。
ホクトの舞茸ももちろん美味しいのは美味しいけれど、雪国まいたけの極と比べると数段落ちると思います。
フライパンで舞茸の天ぷら風
天ぷら用の鍋がなかったり、油をたくさん使うのはもったいないという人にはフライパンで作れる天ぷら風もおすすめです。
以前、雪国まいたけ公式がツイッターで簡単レシピを公開していました。
マヨネーズ大1に冷水大3を少しずつ加え混ぜ、醤油小1、薄力粉大2、片栗粉大1を混ぜて衣を作る。
雪国まいたけ極2パックに薄力粉をまぶし、衣を絡めて中火で熱した油大2でカリッと焼き塩と黒胡椒を混ぜて添える。
まいたけ2パックが秒で消えてく…
大さじ2の油で揚げずに簡単!衣カリッカリな雪国まいたけ極の天ぷらはおかわり不可避な背徳の美味しさ。衣に醤油少し混ぜると美味しいです。
マヨネーズ大1に冷水大3を少しずつ加え混ぜ、醤油小1、薄力粉大2、片栗粉大1を混ぜて衣を作る。
続く↓ pic.twitter.com/2ahJKijgeg
— 雪国まいたけ【公式】 (@yukiguni_co) November 17, 2021

私はめんどくさいので固めて焼きますが、カリカリ感をより出したい場合は舞茸を一塊毎に離して焼きましょう。
舞茸の品質の差は歴史の長さ?
調べてみると雪国まいたけが日本初となる舞茸の人工栽培による大量生産技術の開発に成功し生産・販売を開始したのが1983年。2000年頃までは独占的なマーケットシェアを獲得していたそうです。
一方、ホクトが舞茸の生産・販売を始めたのは2000年頃。その時までは舞茸は雪国まいたけ、ブナシメジやエリンギはホクトという暗黙の了解で棲み分けを図っていたようですが、ホクトが戦いの火蓋を切ったことで後に”上信越キノコ戦争”と呼ばれる全面戦争が始まりました。
➡ 風雲!きのこ三国志~夢のキノコで覇権を握れ~|ガイアの夜明け
この消耗戦で得をした会社はないように思えるのですが、それはさておき雪国まいたけとホクトの舞茸の品質の差はやっぱり歴史の長さなのかなと。
ホクトが生産を始めるよりも何十年も前から品質レベルを高めていたわけですからね。その差はなかなか縮まらないと思います。
逆にシメジやエリンギに関してはホクトの方が先駆者なのでその分のアドバンテージがあるかもしれませんね。
マーケティング下手な雪国まいたけは伸びしろだらけ
ここで疑問に思ったのが、舞茸の味に関してはホクトよりも美味しい雪国まいたけの株価がなぜ下がり続けているのかについて。
舞茸極の値段も味を考慮すれば全然高くないと思うのですが、近くのお店の多くはホクトの舞茸なんですよね。スーパーのバイヤーはもうちょっと味をチェックしようよ…。
おそらくその大きな理由はホクトのマーケティングやブランディングの上手さ。
公式サイトやオンラインショップを見ればその差は歴然です。
ホクトのサイトは洗練されていてきれいで見やすいのに対して雪国まいたけのサイトは画像も古ぼけていて見にくい…。
今は多くの人がスマホを利用してサイトを見るのに公式サイトはスマホ対応すらしてなくて、オンラインショップもとりあえず対応しただけ(画像とかが最適化されていない)という感じ。リクルートサイトなど一部のページはなぜかきれいなんですけどね。
サプリなども薬機法の関係上いろいろセンシティブなのは分かるけれど、資料などを見やすく表示して雰囲気ではなくデータや根拠で納得して買わせるようにしないと、せっかくの良い商品も売れないと思います。
逆にやれることは山ほどあるので、ひとつずつ改善していけばもっともっと良い会社になっていくはず。商品の品質は抜群ですからね。伸びしろだらけだと思います。
この記事を書いてから数か月後に雪国まいたけの公式サイトがきれいになってました。
商品の細かい説明なんかも追加されていて良い感じだと思います。ナイス!
ということで、いろいろ考えた結果雪国まいたけの株を購入しました。
810円くらいで買ってからなぜか株価が上向き始め今は900円ちょっと。配当金や優待がなくならない限りは売るつもりはないので短期の株価に一喜一憂はしませんが、できればこのまま上がっていってもらいたいものです。
大平きのこ研究所の高級黒舞茸
最後に雪国まいたけの創業者であり、舞茸業界のパイオニアでもある大平喜信氏率いる大平きのこ研究所の舞茸についても少し。
大平さんは新潟の貧しい農家に生まれ中卒で働きに出されるも、誰も実現できなかった幻のきのこを量産し大儲けしようと決意して創業した雪国まいたけを一代でキノコ業界大手まで育てあげた傑物です。
1948年、大平喜信は新潟県六日町で貧しい農家の長男として生まれました。少年時代は、学校が終わるとすぐに農作業を手伝う日々で、遊んだ記憶がほとんどなかったそうです。
子供の頃にどれほど貧しかったかということについて、「愛しの魚肉ソーセージ」のエピソードがあります。当時、一本30円ほどの魚肉ソーセージを友達がパクパク食べているのを見つめていた喜信少年。でも、自分には買うお金がない。
「いつか、死ぬほど魚肉ソーセージを食べてやる!」。これが幼い頃の夢でした。
中学卒業後15歳で上京し、横浜の木工製作所に就職。その後新潟に帰郷して、地元の機械工場に勤務。次々と収益アップのための提案をして会社に貢献したにも関わらず、待遇面で自分よりも学歴の高い高卒の社員が優遇される理不尽さに耐え切れず、退社しました。…
いろいろなことが複雑に絡み合い、結局はベインキャピタルという外資の投資ファンドに育て上げた会社を乗っ取られてしまいました。雪国まいたけが一時上場廃止になったのはこれが理由です(その後2020年に再上場)。
しかし、会社を追い出された後もきのこに対する情熱は消えず、株式会社大平きのこ研究所を設立し、息子さんと共に国内外でより良いきのこの開発・生産を行っています。
天然舞茸のクロフを目指した大黒舞茸「真」
大平きのこ研究所の目玉商品は高級”黒”舞茸【大黒舞茸「真」】です。
天然の舞茸はシロフ(白)、トラフ(茶)、クロフ(黒)に分けられ、クロフが最高ランクで希少性が高く、市場価格も最高値で取引されております。
クロフ舞茸は身が締まり食感が増し、香りが強い特徴があります。
この最高ランクのクロフ舞茸を追及し、大平きのこ研究所の茸士が大黒舞茸「真」を創りあげました。
ニュースを見ると、この黒舞茸の売上がかなり順調で、高級スーパーや高級飲食店などを中心に需要が伸びているそう。
安売りは大手以外ではただただ消耗していくだけで商売になりませんからね。新規性を有していたり品質に自信があるのなら価値を分かる人に高く売るほうが良いに決まっています。
これは是非食べてみなければと近くのお店を回ってみましたが、残念ながら見当たらず…。
なので大平きのこ研究所のオンラインショップでネット購入することにしました。
私が見た限りでは商品ラインナップは自宅・贈答用の700グラムと業務用の1キロ、そして乾燥ものの3種類。
自宅・贈答用は立派な箱の分だけ値段が高い感じ。もしかしたら見た目も良いものが選ばれているのかもしれません。
今回は自分で食べるだけなので業務用1キロを注文させてもらいました。
舞茸本体の値段は思っていたよりもずっと安かったです。ただ、冷蔵ということもあって送料が1000円超えてかかるので結局は3000円以上かかりました。
黒くて大きいインパクト抜群の見た目
茸士がより天然に近づけた大株へのこだわり・大黒舞茸「真」(OOGUROMAITAKE SHIN)
なんかかっこいい。
見た目はどんな感じなのかと開封してみると…
でかっ!くろっ!
舞茸のバケモノみたいなのが入ってました(笑)すごい迫力。
見た目の感じは雪国まいたけ極タイプではなく、ホクトの舞茸を物凄く立派にした感じ。爽やかな香りが凄い。
大黒舞茸を食べた感想
さて、肝心の味ですが、他の会社の舞茸と同じように天ぷらにして食べてみたところ、味の濃さというか旨味は最強。雪国まいたけ極よりもさらに上です。
ただ、歯応えというか食感に関しては私は雪国まいたけ極の方が好きですね。もちろんホクトの舞茸よりは数段上ですが。
それからこの大黒舞茸は黒いだけあって健康成分も豊富だそうです。
大黒舞茸を少し焼いてからお吸い物に入れてみたらすぐにスープが黒くなりました。
実はこの黒さの正体はポリフェノールとのこと。長い間アクかと思っていたけれど、抗酸化作用や動脈硬化予防に効果的なポリフェノールならきちんと飲まないといけませんね。
ただ、料理を黒くしてしまう舞茸の特性は料理人にとっては悩みの種。舞茸のwikipediaにも「煮物・吸い物や卵とじなどには、料理そのものの色に影響を与える(黒っぽい色になる)ことから、料理店では慎重に取り扱いが行われる。」と記載されていました。
この問題を解決する可能性があるのが先日雪国まいたけが発表した「新・白まいたけ」の自社菌開発・量産化成功のニュース。
➡ 雪国まいたけ『新・白まいたけ』の自社菌開発・量産化に成功、8月より出荷開始(PDF)
料理を黒くしないだけでなく、雪国まいたけ極の菌をベースにすることで栄養分や味、食感を継承している今までにない品種とのことです。
白は縁起の良い色なので日本料理にも重宝しそうだし、ホワイトソース系の洋風料理にも活用できそう。アンテナが高く見た目や味にこだわりのある料理店からはすぐ反応がありそうな気がします。

途中雪国まいたけの白まいたけに脱線してしまいましたが、大黒舞茸の品質の高さには本当に驚きました。
味も美味しいし見た目のインパクトも凄いので贈答品としてもおすすめだと思います。
ただ、通販で購入する場合は700グラムからなので少人数ではなかなか食べきれないと思います。私は半分くらい両親や友人、親戚などにお裾分けしたのですが健康にも良くて珍しいものなので喜ばれました。
いろいろな料理で食べた後、最後に作ったのはきのこご飯。
材料は大黒舞茸とホクトのシメジ、鶏もも肉、油揚げなど。
本当は三つ葉が欲しかったけれどなかったのでネギ。
素材の味を楽しもうと味付けを薄めにして作ったのですが、舞茸やシメジから良い味が出て鶏肉や油揚げのコクとも上手く調和した美味しいきのこご飯が出来ました。
まとめ
今回はきのこ業界大手二社、雪国まいたけとホクトの舞茸、そして業界のパイオニアである大平さん作大黒舞茸について書いてみました。
雪国まいたけとホクトの舞茸味比べは雪国まいたけの勝利。雪国まいたけ極は味も食感も素晴らしかった。
大平さんの大黒舞茸も見た目のインパクトが凄く味も上々でした。
きのこは安くて美味しくて健康にも良いという三拍子揃った食材です。
今後高確率で訪れるであろう食料危機に対しても強力な助けになるだろうし、代替タンパク質市場でも存在感を放つと思われます。
雪国まいたけやホクト、そして大平きのこ研究所等、きのこに対する知識やノウハウがある日本のきのこ会社には今後も国内外で頑張ってもらいたいものですね。
参考にさせていただいた記事・サイト