半年くらい前に有名キノコメーカーである「雪国まいたけ」と「ホクト」の舞茸の食べ比べをした記事を書きました。

その記事で、雪国まいたけが「新・白まいたけ」の自社菌開発・量産化成功し、8月頃から出荷が始まるという内容のことを書いたのですが、遅ればせながらその白舞茸を購入して食べてみたので今回はその感想を書きたいと思います!
白い舞茸『雪国まいたけ極 白』の感想
雪国まいたけ開発陣が苦労の末に完成させた『極 白』
白い舞茸の商品名は『雪国まいたけ極 白』。
「極 白」の主な特長は以下の3つ。
・極菌の特長でもある歯ごたえのある食感を継承し、雪国まいたけ極と変わらぬ旨味、美味しさを実現。
・形が良く大ぶりなカサは見栄えが良く、カサの食感も充分。料理での存在感も高まります。
・煮汁がほとんど濁らず、高級感のある見た目。料理の幅を広げるとともに、ハレの日を演出できる食材です。
白いだけではなく最高に美味しい「極」の食感や旨味がそのままというのが素晴らしいですね。
白い舞茸を量産すること自体が難しいのに、それに加えて「極」並みの食感や味を実現するのは相当大変だったらしく、公式サイトの開発ストーリーには開発陣の苦闘がありありと記されていました。
90年代から開発をスタートし、ようやく「極 白」がデビューしたのが2022年。
開発ストーリー内での「きのこがないのはわかったから、きのこを出してくれ!」という営業さんの言葉には思わず笑ってしまいましたが、これが自分の立場だったらと考えてみると吐きそうになりました…。
興味のある人はどうぞ→幻の中の「幻」、白い舞茸への挑戦!「雪国まいたけ極 白」開発ストーリー
これだけ苦労してようやく完成した「極 白」なので引く手あまたと思いきや、、相変わらず雪国まいたけの舞茸を扱っているお店が少ない…。
今回も近くのスーパーを何件か回ってみましたが、「極」シリーズを置いている店は増えておらず前回と同じちょっと遠いイオン系のお店で購入しました。
スーパーのバイヤーさん! 仕入れ値とかこれまでの付き合いとかいろいろあるのだろうけど、「極」シリーズは他メーカーの舞茸よりはるかに美味しいので是非置いてください。毎回遠くまで買いに行くのが面倒なんです(泣)
『極 白』を使ってクリームシチューを作る
「極」と「極 白」を並べてみるとこんな感じ。
形や香りはほとんど同じですが、「極 白」は本当に真っ白!すごくきれいですね。
この「極 白」を使って今回作る料理は『クリームシチュー』。
舞茸は栄養学的に非常に優秀なだけではなく香りも味も良いキノコなのですが、料理が黒く濁ってしまうので色味や透明感が大事な料理にはなかなか使えませんでした。
「極」も他メーカーの舞茸に比べると黒くなりにくいけど、料理の色味に全く影響を与えないわけではありません。

黒く濁った舞茸のお吸い物
しかし、前述の通り「極 白」は料理を黒くしないのが売り。
舞茸の美味しさはそのままに料理の見た目に悪い影響を及ばさないなら使わない手はありません!
鶏肉、じゃがいも、にんじん、玉ねぎというオーソドックスな素材たちに「極 白」をプラス。
これらを軽く炒めた後、水を足してしばらく煮てからクリームシチューのもとを投入します。

最近お気に入りのエスビーの濃いシチュー(特濃純生クリーム100%使用)
ルーを溶かしてから牛乳を適量加えればクリームシチューの完成。
肝心の色味は…当然黒くない!
そして、こちらも大事な味や食感はというと、、
結構煮たので旨味はシチューに溶け込んでしまいましたが、コリコリとした「極」シリーズ特有の食感は健在でした。
めちゃウマい!
マッシュルーム農家さんには悪いけど、個人的には「極 白」の方がクリームシチューに合うと思います。
『極 白』を使って天ぷらを作る
残った「極 白」は前回同様『天ぷら』にしてみました。
上手に揚げることができれば舞茸は天ぷら界最強ですからね!
ちょっと火を通し過ぎた感もありますがまあまあ納得の仕上がり。
サクサクの衣にコリコリの食感、奥行きのある旨味たっぷりの味は「極」とほぼ同じ。
公式サイトの特長の項に記載されていた「雪国まいたけ極と変わらぬ旨味、美味しさを実現」という文言は偽りなしでした。
「白」はめでたい特別な色
「極 白」の最大の魅力である”白さ”も天ぷらとの相性良し。
いろいろな文献を見ても、「白」は古来から高尚、上品、崇高、神聖などを表す色として高貴な人が身につけたり、純潔や無垢、清浄、敬虔などの意味を持つことから結婚式など、めでたい席でのメインの色だったりと日本人にとって特別な色でした。
天ぷら料理はめでたい席で出されることが多いので、もともと味が良くて人気だった舞茸の白バージョンがあると知ったら使いたいと思う料理人の方は多いと思います。
是非「極 白」を使った美味しい料理を作ってください!
さいごに
以上、『雪国まいたけ極 白』を食べた感想でした。
めちゃくちゃ美味しい「極」の味や食感はそのままに、古代からめでたいとされていた「白」にこだわった「極 白」はさすがのクオリティでした。
そういえば、雪国まいたけの今回の決算(2023年3月期 第2四半期)は酷い有り様でした。
ライバルのホクトはもっと酷かったのでそれに比べたらマシではあるのですが、円安や原油高の影響がここまで酷いとは思わなかった…。
前回の記事を書いた後すぐに雪国まいたけの株を買ったので来年の3月になれば配当をもらえるし優待の権利も得ることができるけど、不安MAXなので近々利確するかもしれません(810円ちょっとで買ったので今売ればかなりプラス)。
そもそもキノコの値段が安すぎるんですよ。こんな値段じゃ利益なんて大して出ないはず。
いつまでもホクトと値下げ合戦なんてしてないで仲直りして談合しろや(違法です)!
雪国まいたけは「極」シリーズという最高の商品を作っているし、将来的には代替肉や医療といった分野でも存在感を発揮しそうな魅力ある会社なので本当に頑張ってほしいです。