新型コロナウイルスの流行で外出時には【マスク】を着けていない人を見つけるのが難しいくらいの社会になってしまいました。
コロナ流行当初はマスクの流通が少なかったので、とりあえずどんなものでもいい的な考え方でしたが、今ではその人の印象を決める大事な要素、服装の一部のようなものと捉え、良い商品をできるだけ清潔にして使うようにしています。
スーパーコンピュータ富岳の実験によると、「不織布(ふしょくふ)」「布」「ウレタン」のマスク素材の中で最も感染予防効果が高いのは不織布、最も低いのはウレタンでした。
布マスクに関しては感染予防効果と着用感のバランスが良いとのこと。マスク素材の性能自体も重要だけど、きちんと着用することが一番大事ということですね。
「飛沫のサイズが小さくなるほど、マスクで抑えられる比率は下がる。とくに、不織布マスクは、空気抵抗が大きいため、横から漏れる飛沫が多くなり、小さいサイズの飛沫だけを見れば、布マスクよりも性能が落ちる」との新たな結果も示した。
ただ、「全体的には、不織布マスクがもっとも抑制効果が高いが、それを着用して息苦しい場合には、少し性能が落ちても、空気がとおりやすい布マスクを着用するのがいい。着用することが大事であり、苦しいからマスクを外してしまうというのが、一番リスクが高い」とも指摘した。
私はいろいろな記事を参考にして、人がたくさん集まるようなところには不織布マスクを、それ以外の場所では布マスクを着用するようにしています。
そんなこんなで一番着用機会が多い布マスクに関しては、良さそうな商品が出た時はすぐに購入するようにしているのですが、数日前に新発売されたのが、磁気アイテムを販売している有名メーカー【コラントッテ】の【高機能マスク】という商品。
➡(当ブログの記事)肩こり対策に買ったコラントッテALTネックレスの着け心地や効果などの感想
しばらく使ってみて良いところと悪いところがある程度分かったのでレビューしてみたいと思います。
コラントッテ 高機能マスク
このマスクは直営店限定商品らしく、今のところ楽天やヤフーなどでは購入できません。例外として新商品の【TAO ネックレス AURA Lim】という商品を購入するとプレゼントとして同梱されるようです。
値段は1枚税込2420円。
一般的なマスクに比べるとやや高価で一応高級マスクの位置付けになるかと。ただ、吸水速乾性に優れた洗えるタイプのマスクなので何度も洗って使えばコスパは悪くはないでしょう。
女性はサイズに注意
サイズはH:約15cm、W:約20cm、A:約8.5cmのフリーサイズのみでカラーはブラックとグレーの2色。今回はブラックとグレーの両方と購入してみました。
商品画像は外国人モデルがスマートに着用していましたが、男女ともにピッタリサイズのように見えたのが少々不思議でした。
男女で頭や顔の大きさが違うのにフリーサイズで大丈夫なのかなと。
で、届いたものを一般的な男性よりもやや顔が大きめの私が着けてみると…
ベストサイズ！
マスク前方がやや前に突き出た立体構造が採用されているので着け心地は〇。
男性モデルと女性モデルの顔の大きさにそれほど差はなかったということなのかな。
ということで、サイズに注意が必要なのはむしろ女性。
相方(女性)に装着させてみるとガバガバ状態でマスクの上部が鼻にかからずズリ落ちて使い物にならず…。
マスクの紐が一般的なマスクのゴムと比べると伸縮性が低く、長さもやや長めに設計されているのが影響しているのかもしれません。
ズバリ、フィット感はあまり良くありません(特にマスク上部)。
もう少し紐が短めで伸縮性も高い素材なら女性でも問題なく着けられただろうし、フィット感も高まり予防効果もさらに向上したと思います。
とにかく顔が小さめの女性は購入時要注意ですね。
マスクのサイズ感やフィット感は重要なので最初に書かせてもらいました。
見た目は良くないけれど紐をくくると長さ調整できるのである程度はフィット感を高められます。
コラントッテ高機能マスクの特徴
それではコラントッテ高機能マスクの特徴を簡単に説明します。
主な特長は以下の2点。
- 外側生地に抗ウイルス加工ファブリック、内側生地に抗菌防臭・制菌加工が施された生地を採用した2層構造マスク。
- 2層生地はポケット構造になっており、不織布フィルターやガーゼ、インナーフレームなどを入れて使用できる。
まずは1点目について。
外側生地の抗ウイルス効果は光触媒加工によるもの
このマスクの外側生地には「光触媒(ひかりしょくばい)」加工が施されています。
光触媒とは光を照射することによって触媒作用を示す物質の総称で、代表的な物質は酸化チタンや酸化タングステン。今回コラントッテマスクの光触媒加工に使われているのは酸化タングステンです。これによってある程度は可視光を吸収できるので室内の光でも一定の効果は期待できます。
光触媒が紫外光(紫外線)を吸収すると「強力な酸化還元作用」と「超親水性」という2つの機能を発現します。
このうちマスクの抗ウイルス性に関係があるのは前者の酸化還元作用。
物凄く簡単に説明すると…
- マスク外側生地内の光触媒(酸化タングステン)に光が当たることで周囲に化学反応を促進する力が発現。
- その力によって周辺の空気中の酸素や水から「活性酸素」という強い酸化力を持つ物質をつくりだす。
- 「活性酸素」がウイルスを不活化(感染力を失うこと)。
こんな感じ。
「活性酸素」はウイルスだけではなく細菌を除菌する力もあるので悪臭を発生させる細菌を減らすことによる消臭効果も期待できます。
内側生地には銀イオンを採用
マスクの内側生地には細菌の増殖を抑制する「銀イオン」を採用。
銀イオンは、ウイルスや細菌の細胞内のタンパク質等に結合し、一部の機能(細胞分裂など)を阻害することで機能障害を発生させ死滅させるというメカニズムです。
マスクと口が接する部分は唾などがつき細菌が繁殖しやすい環境になっています。そこを銀イオンの力で抗菌防臭したいということなのでしょう。
コラントッテマスクの抗ウイルスや抗菌効果の理屈は大体上記のような感じだと思います。
ただ、これら抗ウイルスや抗菌加工で新型コロナウイルスを完全に予防できるとは思わないほうがよいかと。
今後の研究次第ではどうなるか分かりませんが、少なくとも現時点の光触媒技術にはウイルスを瞬時に不活化させるほどの強力な効果はないので、一般的なマスクよりもほんの少しだけ予防効果が高いくらいに思っていたほうが賢明です。
抗菌加工についてもあまり頼りすぎずに最低でも2回に1回は洗浄し、常に清潔にしておくことが重要です。間違ってもマスクが勝手にきれいになるから洗わなくても大丈夫とかは思わないようにしてくださいね。
ポケットに不織布を挟み予防効果をアップ
次は2点目のポケット構造について。
実はこのマスクの生地はかなり薄くて目も粗いです。
購入前は2層構造なのでまぁまぁの予防効果はあるだろうと踏んでいたのですが、いざ届いたものを手に取ってみるとメインの生地も透過性抜群で口に当たる部分はメッシュみたいな感じ…。正直感染予防目的のマスクとしてはかなり頼りないです。
ただし、このマスクは幸いなことにポケット構造型なのでドーピングすることで多少は予防効果を高めることができます。
100均などで不織布シートを買ってきて…
マスクに合う大きさにカット！
不織布シートは「分子間力」という性質を利用しウイルスを捕集するので、1枚よりも何枚かを重ねたほうが捕集力が高まります。不織布はそれほど高いものではないので贅沢に使いましょう。厚めにね。
カットした不織布をマスクにセット。上画像は参考なので2枚重ねですが着用時にはもっと厚めに重ねてます。
不織布を挟んだからといって十分な効果が期待できるわけではありませんが、多少は予防効果が高まるはずなので試してみてください。
そんな面倒なことやってられない、という人には市販のマスク用フィルターもおすすめです。
100均不織布シートと比べると当然割高ではあるものの、いろいろな素材を層にした厚めのものが多く、細かい作業なしでマスクに挟むだけなので安心・簡単。もう少し横に長い商品があればうれしいですが。
画像の商品は安価な中国製ですが、日本製のものも販売されているので探してみてください。
まとめ
以上が【コラントッテ高機能マスク】の概要や特長です。
個人的な感想は…
まず、縫製など作りはきれいでデザインもすっきりしてて気に入ってるし着用感も悪くはありません。
ただし、紐が長めで伸縮性が低いためフィット感はやや甘めで、生地の目の粗さと相まって予防効果に乏しいイメージを持ちました。マスクの予防効果はフィット感に比例します。
1枚2420円…ちょっと高いかな。
このマスクは良い意味でも悪い意味でも呼吸がしやすく息苦しくないのでスポーツ時には使いやすそう。
人がたくさんいるところに着けていく場合は不織布フィルターを挟んでいくことをおすすめします。
参考にさせていただいた記事・サイト
- コラントッテ公式サイト
- 二重マスクは効果薄、スパコン富岳が実証。飛沫シミュレーション動画を公開|impress
- マスクの疑問あれこれ解決！正しいマスクの使い方|NHK
- 光触媒の新世界|東京大学
- 銀イオンや銅イオンの抗菌性ー作用メカニズムと微生物適応戦略(PDF)