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メダカを食べる?ビオトープに棲みつくツチガエルの特徴と注意点

メダカビオトープを楽しんでいると、いろいろな生き物との出会いがあります。

ここ数年、庭のビオトープでよく見かけるのは「カエル」

最初は戸惑いもありましたが、今では生態系の一員として見守るようになりました。

メダカビオトープに棲みついている小さくて茶色いカエルの正体

我が家のメダカビオトープに棲みついているのは、どうやら「ツチガエル」という種類のカエルです。体長は最大で5cmほど。

メダカビオトープに棲みつくツチガエル

一見地味な外見ですが、よく見ると独特の魅力があります。肌はちょっと気持ち悪いけど…。

ツチガエルの特徴と識別

ツチガエルの特徴は以下の通り。

  • 背中:不規則な斑点や模様があり、全体的に茶色や灰色の落ち着いた色調
  • お腹:特徴的な模様がある(暗色の斑点や網目模様)
  • 鳴き声:夜になると「グー、グー」という低い声で鳴く

よく似た「ヌマガエル」との主な違いは以下の通りです。

  • 目の間の模様:ヌマガエルは目と目の間にV字型の線(模様)がある
  • お腹の色:ヌマガエルはお腹に模様がなく、白っぽい
  • 鳴き声:ヌマガエルは「ゲロゲロ」とより高い声で鳴く傾向がある

特にお腹の模様の有無は重要な識別ポイントですね。

ツチガエルとヌマガエルの見分け方はお腹が茶色く模様がある方がツチガエル

ツチガエルのお腹

ツチガエルの生態について簡単にまとめてみました。

  • 日本の固有種
  • 水田や湿地などの環境に適応
  • 主に夜行性
  • 小型の無脊椎動物を捕食
  • 春から夏にかけて繁殖期を迎える

ツチガエルの日常生活と行動パターン

ツチガエルたちの日々の行動を観察していると、面白い習性が見えてきます。

日中はほとんど動きを見せず、日陰の涼しい場所でじっとしています。これは、おそらく乾燥を避けるためでしょうね。

活発に動き回るのは夕方から夜にかけて。ビオトープ周辺を跳び回り、餌を探す姿が見られます。

夜になると特有の鳴き声を響かせ、繁殖期には交尾する姿も目撃することがあります。実際、深夜にビオトープを確認したときに、カエルたちが交尾している様子を何度か見たことがあります。

ツチガエルとメダカの関係

ビオトープのツチガエルとメダカ

最初はツチガエルがメダカやミナミヌマエビを食べてしまうのではないかと心配でした。でも、2、3年観察してみた結果、ツチガエルに食べられたメダカは多分いません

メダカが間近にいるような状態でも全く興味がなさそうだし、死んでいるメダカを食べる可能性がないとはいえないけど(個人的には生餌しか食べないと思う)、元気なメダカを襲ってまでは食べないのではないかと。

エビの方は数をチェックしていないのでなんとも言えませんが、おそらく食べられてはいないと思います。

大庭伸也氏らの研究によると、ツチガエルたちは主に水辺に集まってくる小さな「虫」を食べるそうです。特にアリを好んで食べる様子がよく見られます。

メダカやエビを食べる可能性があるカエル種

ただし、日本に生息する全てのカエルがメダカやエビに対して無害というわけではありません。

ビオトープに現れる可能性のある他のカエル種の中には、小型の魚類や甲殻類を積極的に捕食するものもいます。特に注意が必要なのは以下の種類です。

  • ウシガエル:外来種で大型のカエル。魚類や甲殻類を積極的に捕食する。
  • トノサマガエル:中型のカエルで、小魚やエビを含む多様な餌を捕食する。
  • ダルマガエル:水生環境に強く適応しており、小魚や水生昆虫を捕食する。
  • アマガエル:小型だが、小さな魚やエビを捕食することがある。
  • ヌマガエル:積極的には小魚を捕食しないが、弱っていたり逃げ場がない状況だと注意。

これらのカエルがビオトープに現れた場合は、メダカやエビへの影響を注意深く観察・対応する必要があるでしょう。

ツチガエルとの共存の課題は産卵行動

ツチガエルとの共生で最も気を付けなければならないのが繁殖期。夜の鳴き声はそれほどうるさくありませんが、「産卵」には注意が必要です。

ビオトープ内の水草にを産み付けるので、放っておくと大量のオタマジャクシが発生する可能性があります。

ツチガエルの卵

オタマジャクシ自体はメダカを直接食べる心配はありませんが、たくさん発生すると水が汚れやすくなります。

そのため、卵を見つけたら慎重に取り除くようにしています。

ただ、庭のビオトープは毎日チェックするのが難しいので、気づいたらオタマジャクシだらけ…なんてこともあるかもしれません。

ツチガエルのオタマジャクシ

ツチガエルのオタマジャクシ

オタマジャクシについては、R Altig氏らの研究が参考になります。

彼らによると、オタマジャクシは主に藻や水中の有機物を食べるそうです。つまり、直接メダカを襲うことはありませんが、餌を巡って競争になる可能性はあります。

まとめ

メダカビオトープに棲みつくツチガエル 足が長い

繁殖期の管理以外では、ツチガエルたちは特に問題を起こしません。むしろ、生態系の大切な一員として活躍していると言えるでしょう。

実は、カエルの存在が生態系に与える影響は思いのほか大きいみたいです。

MR Whiles氏らの研究によると、カエルの数が減ると生態系全体に悪影響が出る可能性があるとのこと。つまり、ツチガエルの存在は、ビオトープの生態系が健康であることの証とも言えるのです。

ツチガエルたちの存在は、時に手間をかけさせられることもありますが、自然の多様さや生命の不思議さを身近に感じられる貴重な機会を与えてくれます。

適切な管理と観察を続けることで、メダカとツチガエル、そして他の生き物たちが仲良く暮らす、豊かなビオトープ環境を作り上げていけるでしょう。

#ビオトープ #ツチガエル




参考文献

  • 長崎市の人工池周辺におけるツチガエル(Rana rugosa)とニホンヒキガエル(Bufo japonicus japonicus)の食性
  • What do tadpoles really eat? Assessing the trophic status of an understudied and imperiled group of consumers in freshwater habitats
  • The effects of amphibian population declines on the structure and function of Neotropical stream ecosystems
Author Profile
ガガ

猫飼い歴30年以上の猫好き、生き物好きで、スポーツや読書、料理、調べものが趣味。
野球とサッカーは観戦するのもプレーするのも好きです。
料理は作るのも食べるのも好きですが甲殻類アレルギー持ちです。

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