5月に入り、すっかり暖かくなってきましたね。
この時期はバクテリアの働きが活発になり、水の透明度も高くなる季節。メダカの病気も少ないのでメダカビオトープを楽しむには絶好の時期です。
今回は限られたスペースでもメダカビオトープを楽しめるよう、小型のトロ舟を使ったミニビオトープの作り方を紹介します。
メダカビオトープによく使われる容器
メダカビオトープでよく使われる容器としては、トロ舟(プラ舟)や睡蓮鉢が代表的です。
トロ舟とは元々農作業で使われるプラスチック製の舟形の容器で土や肥料を運ぶための道具。丈夫で耐久性があり、水を張っても問題なく使えることからメダカ飼育やビオトープ作りに人気の容器となっています。
私はこれまでトロ舟60サイズをよく利用してきました。
60サイズは非常に丈夫で水量も多く、形状もビオトープ作りに最適です。ただ、やや大きめで場所を取りますし、「水がたくさん入る=重い」ので、ベランダのスペースが狭かったり、耐荷重の面が心配な方も多いのではないでしょうか。
千吉のトロ舟25を購入
トロ舟はさまざまなメーカーからいろいろな製品が販売されていて、カラーも一般的なブラック以外に緑っぽいものや青っぽいものなどがあります。
サイズも60Lサイズ以外に、小さいものなら20Lサイズ、大きいものなら100Lサイズなんかも販売されています。
その中で今回私はAmazonで「千吉(せんきち)」というブランドの25Lサイズのトロ舟を購入しました。
製品情報は以下の通りです。
- 商品寸法: 約370mm(奥行)×640mm(幅)×140mm(高さ)
- 本体: PE
- 重さ: 1.52kg
よく使われるトロ舟60のサイズは、約511mm(奥行)×820mm(幅)×207mm(高さ)なので、かなりコンパクトなサイズになります。

トロ舟25とトロ舟60の比較(イメージ)
小型メダカビオトープの素材選び
このトロ舟25を使ってメダカビオトープを立ち上げます。
今回の小型メダカビオトープの素材は「流木」、「シラサギカヤツリ」、底床材は「南国砂」と「赤スコリア」の2種類を使いました。
流木はジェックスの天然流木シリーズを使用
流木は自然な雰囲気を出せる素材なのでビオトープ制作に便利ですが、良いものを手に入れるのは意外と難しいものです。
自分で採るには法律の問題なんかもありますし、購入しようと思うと意外と高いんですよね…。
今回購入したのは、有名アクアリウムメーカー「GEX(ジェックス)」の天然流木シリーズ。
東南アジアあたり(Mサイズがタイ産だった)の天然流木で、サイズはミニ、SS、S、Mの4サイズです。
サイズや重さの目安は以下の通りですが、もちろん天然物なので形状はどんなものが来るのかはお楽しみという感じ。
個人的には形の良いものが手に入る確率はそれほど高くないと思います。ただし、値段は想像していたよりも安かったですね。
- ミニ:本体サイズ約10〜15cm 個装サイズ/重量 幅14.5×奥行5×高さ4cm/90g
- SS:本体サイズ約15〜20cm 個装サイズ/重量 幅25×奥行15×高さ10.8cm/370g
- S: 本体サイズ約20〜30cm 個装サイズ/重量 幅26.5×奥行12×高さ9.5cm/400g
- M:本体サイズ約30〜40cm 個装サイズ/重量 幅16×奥行20×高さ25cm/800g
この流木はアク抜き処理はされていないので自分で行う必要があります。これがめんどくさい…。
私は消毒も兼ねてバケツに流木を入れ熱湯を注ぎ、茶色くなるのが収まるまで何週間か漬け込んで、その後しっかり乾燥させて使いました。
アク抜き方法(ジェックス推奨のやり方)
- 流木全体が浸かるサイズの容器に水を張り、流木を浸ける。
- アクによって水が茶色くなったらその都度、水を取り換える。
- 水が茶色くなるのが収まったら、流木を取り出し水道水で軽くすすぐ。
※流木を浸ける目安は約2~4週間。
※完全にアクを取り除くことはできない。
早く使用したい場合は大きめの鍋で流木を煮ると良いです。何度か繰り返すことでアク抜きが早まりますが、それでも完全にアクを取り除くことはできません。
また、流木はアク抜きをしないと浮く場合があります。上記の方法でアクを抜くか、重石などを付けて水没させておくと1~2日で沈むようになります。
底床材は南国砂と赤スコリアを使用
この流木を2個組み合わせてビオトープの真ん中あたりにメインとして据えた後、石で2種類の底床材を区切り、南国砂と赤スコリアを配置しました。
南国砂は「水作」の水槽の天然砂シリーズ「南国砂」を使用。国産で選別・洗浄済みかつpHに影響を与えにくい使いやすい底床材です。
南国砂は有名な大磯砂の一種のようなもので、大磯砂は自然の川底や海岸を思わせる風合いが特徴の海産砂利の総称です。採取場所によって色や形状が微妙に異なり、南国砂やフィリピン砂などと呼ばれることもあります。
粒径がそれなりに大きいため、例えば珪砂に比べると水流を妨げにくく有機物が溜まりにくいという利点があります。また適度な多孔質性によりろ過バクテリアの定着にもまずまず適しています。
川砂に比べて粒の形状が丸みを帯びているため、底生魚や底砂を掘り返す習性のある魚の体を傷つけにくい点もメリットですね。
赤スコリアは以前もビオトープ制作に使いましたが、溶岩石の一種のようなもので、多孔質で表面積が大きいため、ろ過バクテリアの住処となって水質浄化に一役買ってくれます。見た目のアクセントにもなるので一石二鳥の底床材と言えるでしょう。
赤玉土よりも粒が崩れにくく、たくさん棲みついたバクテリアの影響で水を透明にしてくれるお気に入りの底床材です。


盛った赤スコリアにシラサギカヤツリを植える
最後はビオトープの左上に赤スコリアを多めに盛り、溶岩プレートで盛ったスコリアが流れないようにして、そこに「シラサギカヤツリ」を植えました。
シラサギカヤツリはカヤツリグサ科の多年草で、白い花穂が風に揺れる姿が白鷺(しらさぎ)に似ていることから名付けられました。
水辺を好む丈夫な植物でメダカビオトープには最適な水草の一つです。根が張りやすく水質浄化にも役立ち、湿った環境から水中まで幅広い条件で育ちます。
タフな植物のようなので、過酷な環境のベランダでも頑張ってくれるのではないかと期待して植えてみました。花も可愛いですしね。
以上でレイアウト完成です。

YouTube動画|【メダカビオトープ立ち上げ】流木×シラサギカヤツリ×二種類の底床レイアウト
まとめ:小型トロ舟のメリット・デメリット
トロ舟25を使った小型メダカビオトープを作ってみた感想は以下の通りです。
メリット
- 省スペース設計で比較的軽量なので狭いスペースや耐荷重が気になるベランダにも設置可能
- 使う素材の量が少なく、メインに据えるものが1個あればある程度レイアウトが決まる(トロ舟60だと3個程度はメインが欲しくなる)
- 小さいので掃除やメンテナンスが楽
デメリット
- 水量が少ないので入れられる生体が少ない
- 水量が少ないので雨などで水質が急変する可能性があり、水のコンディションを保つのがやや難しい
小さいことがメリットでもありデメリットでもあるという感じですね。
個人的には完全な初心者の方よりも、とりあえず1個でもビオトープを立ち上げて問題なく管理できている方向けかなと。
それなりにメダカ飼育やビオトープ管理の経験がある方なら見た目で水の状態やメダカの健康状態なんかも分かると思うので、水質の変化などにも気付きやすいし対処もできると思います。
ただ、ビオトープの管理やメダカの飼育は全然難しいことではないですし、今はネットで簡単に情報を集められるので初めての挑戦でも怖がることなく始めてほしいです。
小さめのメダカビオトープを立ち上げてみたいと思う人はぜひ参考にしてみてください!

#メダカビオトープ #流木
参考にさせていただいた記事・サイト