庭にトロ舟メダカビオトープを設置していると、外からさまざまな生き物がやってきます。
その中で印象的なのは「カエル」と「カニ」です。
カエルについては以前取り上げたので、今回は我が家のビオトープによく現れるカニの特徴や生態、そしてビオトープ環境への影響について書いていきたいと思います。
黒っぽい小さなカニはアカテガニ?クロベンケイガニ?アシハラガニ?
私の家の近くには汽水の河川があり、散歩中にカニを見かけることがあります。そして、このカニたちは時々庭のメダカビオトープにもやってきます。
近づくとすぐに逃げてしまい、じっくり観察できないので種類を特定するのは難しいですが、特徴から判断すると「アカテガニ」か「アシハラガニorヒメアシハラガニ」、もしくは「クロベンケイガニ」ではないかと。
これらのカニの特徴は以下の通りです。
特徴 | アカテガニ | アシハラガニ | クロベンケイガニ |
---|---|---|---|
甲羅の幅 | 約3~4cm | 約3~4cm | 約2~3cm |
体色 | 暗褐色や灰褐色 | やや薄めの茶色や灰色 | 濃い褐色〜黒褐色 |
特徴的な部位 | 赤い鋏(はさみ) | 甲羅の両横前方に深い切れ込み | 歩脚に剛毛 |
主な生息環境 | 河口域から内陸部の森林 | 河口域から内陸の湿地や水田 | 河口域の干潟や塩性湿地 |
陸上適応 | 非常に高い | 非常に高い | 高い |
主な食性 | 植物質、小動物 | 植物質、小動物 | 植物質、小動物 |
いずれの種も陸上での生活にもよく適応しており、河川からある程度離れた場所まで移動することがあります。特に繁殖期になると、時には数百メートルも陸地を歩いて移動するんだとか。
追記:脱皮後の抜け殻を発見
ビオトープにカニが脱皮した後の完璧な抜け殻が落ちていました。
これを見ても、私にはアシハラガニではなさそうというのが分かるくらいで、まだクロベンケイガニなのか他のベンケイガ二なのかアカテガニなのか、分かりません(笑)クロベンケイガニっぽいけど。
色も環境によって変わるみたいだからあんまりあてにできないし…カニの種類を特定するのは難しい!
カニの専門家が見れば、これで完全に種類が分かるんでしょうね。うらやましい。
カニの日常生活:ビオトープでの様子
カニは本来夜行性の傾向がありますが、日中も活動しています。特に夕方から夜にかけては活発に動き回る姿をよく目にします。
一度ビオトープに入ると、数か月間滞在することもあり、カニたちはビオトープの生態系に溶け込んでいるように見えます。
私の観察では、ビオトープに来たカニは、日中は主に溶岩石の影に隠れています。これまでのところ、メダカやミナミヌマエビに対して攻撃的な行動を取る様子は見られていません。
ただ、メダカやエビが絶対に安全かというとそうではないようで、例えば、アカテガニのWikipediaページには「素早い動きで小魚や昆虫、フナムシなどを捕食することもある」と記載されています。
しかし、この情報は一般的な可能性を示唆しているに過ぎず、実際の行動は環境や個体によって異なる可能性があります。
科学的研究によると、これらのカニ類、特にアカテガニは主に植物食性で、落葉や果実などを主な食物源としています。つまり、小動物の捕食は機会的なものであり、主要な食性ではないということですね。
実際、私のビオトープでも、メダカの数が減少しているような兆候は見られません。
ビオトープの苔をカニが食べる?
しかし、最近気になることが一つ。もしかしたら、カニがビオトープに配置している観賞用の苔を食べているかもしれないのです。
ビオトープには観賞用の苔(ハイゴケ、スナゴケ、シノブゴケなど)を植えています。
最近、これらの苔が少し減っているような気が…。
苔の上で何かをツマツマしている姿もよく見かけますし。
カニが苔を食べているという確証はありませんが、クロベンケイガニ、アシハラガニ、そしてアカテガニも植物質の餌を摂取する傾向があるので、この行動は理にかなっています。
厄介なアオミドロや藍藻を食べてくれるのなら問題ないのですが、大切に育てている観賞用の苔まで食べられてしまうのは困りますね…。
まとめ:カニとの付き合い方
カニをビオトープから完全に排除するのはなかなか骨が折れそうです。
人の気配を察知するとすぐに隠れてしまうので、カニたちの捕獲は簡単ではありません…。
苔の周囲に障害物を設置して入れなくする、カニの好む隠れ場所を苔から離れた場所に作る、などカニと共存しつつ、苔を守る方法を考える必要がありそうです。
カエル同様、カニたちの存在にも時に頭を悩ませることもありますが、ビオトープの生態系をより豊かにしてくれる存在でもあります。具体的には有機物の分解者として、生態系で重要な役割を果たしているそうです。
自然との共生には課題も多いですが、それを解決していく過程もビオトープ制作・管理の醍醐味の一つかもしれませんね。
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